ビル・ヴィオラ:はつゆめ@森美術館

Bill Violaニュ−ヨ−ク生まれのヴィデオ(ビデオ)アーティスト、ビル・ヴィオラの作品上映展を六本木ヒルズ内にある森美術館でやってたのを見に行きました。
映像のインスタレーション作品、っていうと結構テーマが難しかったり、逆に単純だとつまらなかったりと高度な感性と技術を駆使して製作されるイメージがあるのですが、今回のは割とわかりやすく、かつユニークな切り口な作品が多かったです。全体的に共通していて使われていた手法は「スローモーション」で、時間を細分化することによって新たな何かを発見するための作品、といった印象を強く受けました。

『ビル・ヴィオラ:はつゆめ』
2006年10月14日[土]ー2007年1月8日[月・祝]
森美術館 六本木ヒルズ森タワー53階
作品そのものの他は、とにかく大小様々の展示用液晶モニターの画質が良すぎで、個人的にそれにもかなり感動してました。(やっぱり機材は大変重要だと改めて痛感)だいたい複数のスクリーンを重ねてプロジェクターで照らしたり、四方で壁のように設置してあったりと趣向が凝らされていて、モニターひとつで一作品、というのは意外と少なかったですが、それでも印象的なのは「グリーティング/あいさつ」というヴィデオ・サウンド・インスタレーション作品。登場人物の立ち話している2人の女性の間を割って入ってきた新たな女性。対象的にその様子を冷ややかな目線を送る割り込まれた女性。日常の起こりうるわずか数秒の出来事を、何分にも引き延ばしてスローモーションにすることによって見えてくる人の細部に及ぶ表情を目の当たりにすることができます。そして建物や人物の服装の色彩などまるでそれ自体絵画のような錯覚に陥りそうにもなり、計算されたような構図、人物配置など、他の作品でもどこか西洋キリスト宗教画に通じるような雰囲気が感じられました。

あと一番最初に目にする巨大モニターの裏表それぞれに炎に包まれる人水しぶきを浴びる人の映像を同時に流した「クロッシング」という作品も迫力があってすごかったです。

全部の作品の上映されている部屋の入り口付近の壁に小さなパネルで説明があるのですが、私は最初から全部読んでから映像見るようにしました。なんでかっていうと映像作品って絵画を鑑賞するよりもどうしても時間がかかるので、見所は先に知ってからの方が楽しめるんですよね。逆に思いっきり見過ごすとよくわからないまま終わってしまうし。

巨大な空間に浮かぶ5つの映像に水中に飛び込んだ様子を幻想的に映し出す「ミレニアムの5天使」などを見ながら「やっぱりホラー映画の昔ながらの技術はすごいってのがわかった」(元来のその独特な映像手法にも酷似していたため)と言っていたToshie-T話にもちょっと納得な展覧会でした。

六本木ヒルズ:蜘蛛のオブジェ今回この美術館入るのは初めてでしたが、広くてとってもキレイでいつも行く年期の入った趣きのある建物とはうって変わって、超現代ビルギャラリーらしいメタルな(無機質な)感じがとっても新鮮でした。
そして終わった後、ヒルズの蜘蛛のオブジェ「ママン」(ルイーズ・ブルジョワ作)の前を通りかかる。前行ったのパブリックアートの展示会でも写真が展示されていたのですが、実際間近で見ると実物は相当デカイです、これ。思ったより迫力ありますね。(六本木なのに八本足のクモがなんであるのかは謎ですが)
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