早春アート散策@箱根彫刻の森美術館

野外彫刻
久々に都心から足をのばして週末は箱根へ。晴天にも拘らず、風はかなり冷たかったのですが、豊かな自然とたくさんの彫刻に囲まれた広々とした美術館として名高い「箱根彫刻の森美術館」にやってきました。
実はこの美術館に訪れるのは約10年振り。行けば思い出すのかな?と思いつつ入口で出迎えてくれたのは、昔とまったく変わらないヘンリー・ムーアの「ファミリーグループ」をブロンズ像作品でした。彫刻の森と言えば、ヘンリー・ムーアの造形コレクションと、ピカソの300数点を集めた「ピカソ館」というのが昔からのここのイメージですが、改めて年を重ねてからもう一度見ると、以前にはなかった、なんとも言えない趣きがあるように感じられました。
そのブロンズを通り越して短いトンネルを抜けると、オープンエアーで様々な立体作品が目に飛び込んでくる円形広場が広がります。(上の写真↑)
野外作品色々「3つの人像」「嘆きの天使」
その広場の端の方で、ひと際存在感と注目を集めていたのは、浅い水槽(というか泉、通称「ラランヌの池」)に横たわる大きな石像の顔、フランソワーザビエ、クロード・ラランヌ(フランス)彫刻家夫妻による「嘆きの天使」(右上写真↑)。良く見ると右目から絶え間なく涙にも似た水が、トラニ石でできた白い頬を濡らします。
泉の中に横たえる《嘆きの天使》は、涙が途絶えることはありません。しかし、その顔は悲嘆にくれたものではなく、どこか哀愁をおびた穏やかな顔をしています。(以下略:解説より)
作者は、あの「ナルシスト」の語源でもあるギリシャ神話のナルシス(水面に映った自分自身の姿に恋をして、水仙の花に生まれ変わったという伝説の青年)もこの天使のイメージにあるようです。独特な水の環流装置を利用して、独特の情景を表現した作品に思わず見入ってしまいます。
あとは、その隣にあったトイレ、、じゃなくて(一瞬見間違えた人が何人もいるようです)マリソール・エスコバル(ヴェネズエラ‐アメリカ)の「三つの人像」(左上写真↑)も、赤黄青の原色三色が鮮やかな立体に引っ付いた顔が奇妙で面白いなと思いました。(雨風に吹かれてひび割れていたのが少し残念でしたが)
「偉大なる物語」「心臓を持った男」
あと野外彫刻で特に気になったのは、上の2点。ジュリアーノ・ヴァンジの「人間」をテーマにした外内面の葛藤を表現してきた大理石作品「偉大なる物語」(写真左)、そして出口で見送ってくれるかのようにそびえ立つジョナサン・ボロフスキー(アメリカ)の「心臓を持った男」。グラスファイバーの身体にぽっかりと空いた胸の中心では赤い光が不気味に点滅しています。コンピュータで制御されたその立体作品が、昔からあるヘンリムーア作品とのギャップをうまく出していて、この美術館の歴史を思わせる演出のようでなんか良かったです。

室内展示では、本館ギャラリーで藤田嗣治(レオナール・フジタ)の大きな鉛筆画(しかし精密な描写の)が何点もあって、それが意外性もあってかなり印象的でした。

まあ、ピカソ館など一通り全部まわったので、軽く歩き疲れました。驚いた事に温泉足湯コーナーがあって、たくさんの人が気持ち良さそうに掛け流しで足を休めていました(タオル1枚100円)。時間がなかったのでそれが体験できなかったのが名残惜しい気もしましたが、色々な発見もあり楽しめました。全部まわると意外と時間かかるので、ゆっくり巡りたい人は朝からがオススメです。

comments

   

trackback

pagetop