ルドンの黒@Bunkamuraザミュージアム

「黒の幻想」と言われる画家オディロン・ルドンの展覧会に行ってきました。展覧会タイトルにもある通り、黒を基調とし、得たいの知れない生物やら、目玉をモチーフにした作品など、モノクロのリトグラフが大半で、一見不気味な雰囲気なのですが、本の挿絵(「悪の華」とか)として描かれたのも多くあり、その世界観はやっぱり独創的そのものでした。
中には数点の珍しい油彩(といっても数は少なく5点)によるカラフルな花など作品があり、アクセントカラーに使われている、群青色や赤がはっと目を引きます。「黒い花瓶のアネモネ」は花の周りの壁みたいな薄紫色の色彩の背景が綺麗です。
個人的には、顔や目の作品よりも、木々や建物の作品で、その下の端ほうにさりげなく2人の人物がいる構図の作品が、シュールで面白かったです。

ルドンの黒 
眼をとじると見えてくる異形の友人たち

2007年7月28日(土)〜8月26日(日)
Bunkamuraザ・ミュージアム(渋谷)
たとえば、「樹(樹のある風景の中の二人の人物)」とか。あとは風刺っぽくて気に入ったのが、サイコロのような立体の物体を背負って歩いている人を遠方に描いた版画集『夢のなかで』の「V.賭博師」という作品。あと、太陽のように中央部分で巨大な目玉が怪しげに存在感を出している「VII.幻視」というのも見上げている人の方が気になります。

挿絵シリーズの本の中に『エドガー・ポーに』というのがありましたが、もちろんあの怪奇・探偵小説家のエドガー・アラン・ポーのこと。実は私も子供のころ、この小説読んでいたときに、何かしらのインスピレーションを受け、挿絵とはいかずとも、想像したことを気づいていたら、描いてたことを思い出しました。またそんな想像を掻き立ててるような本に、出会いたいものですね。

ところで、展示されている絵画とは別に、渋谷@FRONT(渋谷交差点の大型ビジョン)では、この作品展の広告映像が流れているのですが、これが静止画から作ったとは思えないリアルさで圧倒させられます。展覧会場入り口のウェルカムムービー制作も携わるのは、CG制作・ソフトウェア販売会社のキャドセンター。ちょっと一見の価値はあります。

番外編。ルドンとは関係ありませんが、会場のギャラリーショップでいわゆる、名作ポストカードを眺めていたら、ルネ・マグリットの「幸福な手」にふと目が止まりました。あい変わらずシュールです。
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